シマトネリコ
シマトネリコは販売している庭木の中でも長い間人気ナンバーワンです。

シマトネリコとは
学名 | Fraxinus griffithii |
別名 | タイワンシオジ |
属性 | モクセイ科・トネリコ属 |
原産地 | 沖縄、台湾〜インド |
タイプ | 常緑〜半落葉樹 |
日照条件 | 日向 |
耐寒性 | やや弱い(氷点下3度以上) |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | あり |
シマトネリコはどこからきた?
シマトネリコは、沖縄〜台湾などの暖かい地域原産の常緑樹です。そのため、どことなく南国の雰囲気をまとい洋風のお庭や建物と相性が良いのが特徴です。これまでは日本でも一部の地域でしか植栽が可能ではありませんでしたが、温暖化などにより徐々に関東地方などの都市部で植栽がの可能となりました。
シマトネリコの魅力
シマトネリコはなぜそんなに人気なのか?

きらきら光る細かい葉
シマトネリコの魅力は何といってもきらきらと光る美しい葉でしょう。
常緑樹は通年で葉をつけ目隠しにもなるため、庭木でも必要とされることは多いのですが、常緑樹の多くは葉が大きくて分厚く、色も深緑色の重厚な雰囲気のものが大半です。
また、庭木の中では、常緑樹は落葉樹ほど豊富な樹種がありません。
その中で、もともと樹形が整いやすいトネリコの仲間で、常緑樹とは思えない軽やかで美しい葉をつけたシマトネリコがここまで人気を博したことは、もはや当然のことだったのかもしれません。
一時期は、都市の植栽は猫も杓子もシマトネリコという時期があるほどの人気を誇り、誰もがその美しさを受け入れました。
今現在は少し落ち着きを見せ、どこかシマトネリコ一色となった風景に飽きたような風潮はありますが、先入観を取り除いて見てみると、モダン化、洋風化されている建物に、やっぱりシマトネリコはよく合うなと思わされる美しい木です。
しかしながら、生物で完璧なものは存在しないもので、そんなシマトネリコにも弱点があります。それは寒さに弱く、寒さで葉が落ち、見た目が悪くなってしまう事です。
そのため、植栽地域は風の当たりにくい南関東程度の気候でないと美しい状態を維持できません。それもまた植物らしさとして付き合う必要があります。
洋風がとても似合うスタイリッシュな樹形
シマトネリコは生育が旺盛で、剪定をせず放っておいても自然と樹形が整うためほとんど手間がかかりません。自然と伸びるすらっとした姿勢が洋風のお庭にとてもよく似合います。
グリーンロケットで販売しているシマトネリコは将来にわたり樹形が整いやすいものを選別しています。

シマトネリコの花(5-6月頃)

シマトネリコの種(9月頃)
ふわふわとした花
シマトネリコの花は少し変わっていますが、そのふわふわとした形は魅力の一つと言えます。梅雨の晴れ間に高い空をバックに咲く花は、初夏の爽やかさをいっそう引き立ててくれます。
※シマトネリコの花は木が成熟した時に咲かせるため、咲かせ始める時期(樹齢)は木によって違いがあります。
シマトネリコとの付き合い方
シマトネリコの魅力は何といっても常緑樹とは思えない涼しげで洋風な雰囲気の葉です。
しかし反面、唯一の弱点として寒さに弱いことがあげられます。
一部冷たい風の当たる場所などは、葉を落とすこともありあますが、南関東程度の気候であれば問題もなく植え付けられるでしょう。シマトネリコの魅力を楽しむためにも植え付け場所を確認するようにしましょう。
樹勢は旺盛のため、自然と美しく大きくなります。お庭に余裕があれば、そのまま大きくして本来の美しさを楽しんでいただけます。
ある程度、樹形を抑えて育てたい方は、このページのシマトネリコの剪定を参考にしてください。シマトネリコは生育すると花も楽しめます。
もし種を飛散させたくない場合は、花を楽しんだ後に花を取ると良いでしょう。
その際に作業しやすくするためにも、樹形を抑えておいた方が便利です。
またシマトネリコはカブトムシが好む木で、環境やそれなりの幹の太さでカブトムシ採取も可能です。しかしカブトムシによるシマトネリコへの食害に注意を払う必要があります。
その他の病害虫はほとんどつきません。たまに虫が葉を食い散らかしたような跡が散見されることがありますが、被害が微少なので放っておいても問題ないでしょう。
シマトネリコの育て方(要点)
植え付け場所
グリーンロケットでは販売しているシマトネリコの植え付け場所を南関東以南の気候、冬の場合氷点下3度程度、氷点下マイナス7度でも風の抜けがほとんどない状態での植え付けを推奨しています。それはシマトネリコは元来暖かい地域に自生している木です。そのため寒冷地ではすべて葉を落としたり枝先や軸が枯れ戻ったりしてしまうのです。
もし植え付け後葉を落としたり枯れ戻ったりしても、シマトネリコはとても生命力の強い木なので、葉が落ちたところから元気に葉を吹かせます。
シマトネリコの剪定
シマトネリコは大きくなりやすい木です。
背を高くしたくない場合や広がりを抑えたいときは、剪定を行うようにします。
図のように、将来伸びることを想定し、短めに切り詰めます。バサバサと切り詰めて問題ありませんが、木には根と葉のバランスが必要で、丸坊主にすると枯れることがあります。
適度に葉を残しながら切り詰めるようにします。
大がかりな切り詰めを行う場合は、時期の良い梅雨に行うことをお勧めします。

日当たりと土壌環境
シマトネリコの魅力である、葉の輝きを引き出すためにも日向に植えることをお勧めします。半日陰程度でも植え付けは可能ですが、葉の照りがうまく出ないことがあります。
土壌は、水はけの悪い場所とやせた土壌は苦手かもしれません。それ以外はおおむね大丈夫です。心配であれば市販の土壌改良用土を植えつけ時に混ぜ込み、油粕や化成肥料を、状態を見ながら与えるようにします。
おすすめのシマトネリコ
販売されているシマトネリコの中で耐寒性の強いものがおすすめです。
シマトネリコは、常緑樹の中でも寒さで葉を落とす半落葉樹です。関東以南の暖かい地域でも冬の風通しの良い場所は、落葉することがあります。そんなシマトネリコの中で耐寒性が強いものと弱いものが見られます。
グリーンロケットでは、なるべく耐寒性の強いシマトネリコを販売しています。

普通のシマトネリコ

耐寒性の強いシマトネリコ
茨城県当社圃場で養生した時の様子です。
右の耐寒性のものは、周りのシマトネリコが葉を落としていることから分かるように、葉が茂り一定の強さが見られます。これは夜間マイナス5度程度の様子です。
しかし、耐寒性の強いシマトネリコも寒風によって葉を落とすことがありますので、一定の葉のつきを保障するものではありません。